おいしいワインを飲むためにコンサルファームで働く

ワインが好きなITコンサルタントのブログです。

【コンサルファームへの転職】ケース面接の攻略ポイントを例題で解説する

今回は、コンサル業界への転職にあたって、鬼門となりうるケース面接について記載しようと思います。

f:id:kbt10tkhr10:20200127114222j:plain

ケース面接とは?

コンサル業界の面接で、よく取られている面接の手法です。

とある具体的な事例を用いて、実際にその場で問題解決をしてみよう、というものです。
戦略系コンサルティングファームのものが有名ですが、総合系コンサルティングファームでもよく取られている形式の面接です。

ケース面接の流れとしては、
①問題の提示・読込→②シンキングタイム→③解答発表→④質疑応答→⑤面接官からのフィードバック
といったような流れをとります。

ケース面接の目的

以下のリンクの記事にて、面接官が評価するポイントの1つに、「コンサルタントとしての素養」があるかという点を挙げました。

winesuki.hatenablog.com

面接での質問のやり取りだけでなく、より手っ取り早くコンサルタントとしての素養を評価するために、ケース面接が採用されています。

ケース面接で評価されるポイント

上記リンクの記事にて、面接で評価されるコンサルタントとしての素養とは、考える力と伝える力であると述べました。

したがって、ケース面接では解答の正解・不正解ではなく、解答に至るまでの考え方のプロセスが論理的かどうか、発表の内容はわかりやすく伝えられているか、を評価されることになります。

例題を解いてみよう

実際に例を用いたほうが伝わりやすいと思うので、例題を作ってみました。

ケース

あなたは、令和コンサルティングコンサルタントとして働いており、 東京コーポレーションという化粧品の製造と訪問販売を手掛ける会社の担当をしています。
今回、東京コーポレーションの社長から、以下のような相談を受けました。

<社長の話>
最近、売上がどんどん減ってきているんだよ。
うちは化粧品1本でやってるんだけど、製品の品質には自信を持ってる。
製品が悪いわけじゃないから、やっぱり営業に問題があると思ってる。
常々営業の責任者には「とにかく訪問しろ。足で稼げ。」ときつく言ってはいて、
訪問回数は例年通りこなしているんだが、中々売上が上がらない。
営業の効率が悪いんだろうな。

そこで、あなたは営業部門の責任者と担当者にインタビューをしました。

<営業部門の責任者の話>
いやーこの間も社長にこっぴどく絞られたよ。効率が悪いとかどうとかって言われてもね。うちの営業は数うちゃ当たるがモットーだから。
いやー、でも売れないね。訪問販売ってさ、話すら聞いてくれない人も多いわけよ。まあ、それは昔からそうなんだけどね。
話さえ聞いてくれれば、うちの営業は話がうまいから、買ってくれると思うんだけど、最近は消費者も賢くなってきているし、簡単には買ってくれなくなってる気がするね。
あとさ、一昔前はクーリングオフってあったじゃない?あの時は売上落ちたよ。だって、契約取れても後から解除されちゃうんだもん。困ったもんだよ。
まあここ10年ぐらいは落ち着いてきたけどね。

さて、これらの情報をもとに、クライアントの問題を解決するための施策を提案してください。

解答例

では、解答を見ていきましょう。

解答のステップ① 問題を把握する

まずは、問題の原因を特定するところから始めます。
では、ここでいう問題はなんでしょうか?

社長が以下のように言っていました。
「営業の効率が悪いんだろうな。」

では、営業の効率とはなんでしょうか。
この例では、訪問販売をしている会社なので、営業の効率を以下のように定義してみましょう。
営業の効率 = 売上数 / 訪問数

解答のステップ② 問題の原因を特定する

では次に、問題の原因を特定していきましょう。

ここで大事なのは、MECEという考え方です。
MECEとは、漏れなくダブりなく分類できている状態のことを言います。

では、今回の例の「営業の効率 = 売上数 / 訪問数」をMECEに分類してみましょう。

まず、訪問販売のプロセスを考えます。
訪問してから売上を計上するまでに、訪問する→商談する→契約する→売上計上するというプロセスを踏むだろうと想像できます。
つまり「営業の効率 = 売上数 / 訪問数」の式を分解してみると、以下のような等式が成り立ちます。

f:id:kbt10tkhr10:20200127114701p:plain

では、等式のどこに問題があるか、営業部門の責任者の話から考えてみましょう。

商談数 / 訪問数

訪問した結果、実際に商談に持ち込めた割合を示しています。
訪問したとて、商談ができるとは限りません。
そもそも不在の場合もあれば、取り合ってもくれない場合もあるでしょう。

営業部門の責任者の話によると、
「訪問販売ってさ、話すら聞いてくれない人も多いわけよ。
まあ、それは昔からそうなんだけどね。」
とのことなので、最近起こった問題の原因ではなさそうです。

契約数 / 商談数

商談した結果、実際に契約までこぎつけた割合を示しています。

営業部門の責任者の話によると、
「話さえ聞いてくれれば、うちの営業は話がうまいから、買ってくれると思うんだけど、
最近は消費者も賢くなってきているし、簡単には買ってくれなくなってる気がするね。」
とのことでした。ここが問題のような気がします。

売上数 / 契約数

契約し、無事に売上として計上できた割合を示しています。

訪問販売にありがちですが、クーリングオフ制度で契約した後に契約を解除される場合があります。
営業部門の責任者の話によると、
「あとさ、一昔前はクーリングオフってあったじゃない?
あの時は売上落ちたよ。だって、契約取れても後から解除されちゃうんだもん。困ったもんだよ。まあここ10年ぐらいは落ち着いてきたけどね。」
とのことなので、こちらも最近起こった問題の原因ではなさそうです。

f:id:kbt10tkhr10:20200127114827p:plain

このように、要素を分類してみると、どこに問題の原因があるのかが特定しやすくなります。

解答のステップ③ 解決策を考える

問題が特定できたので、次は解決策について考えます。
ここでもMECEを意識します。

ロジックツリーを描いて考えると、論理の構造化ができ、論理的に解決策を導くことができます。
ロジックツリーのお題は、「商談において、契約の確率を高める方法は?」とします。

f:id:kbt10tkhr10:20200127114804p:plain

そのお題に対して、解答例ではヒト・モノ・カネといった切り口で構造化しました。
これはもちろんMECEであれば何でもOKです。
このように構造化することで、解決策が考えやすくなるのと同時に、
切り口がMECEであることで、思考の漏れやばらつきを失くし、説得力が増します。

解答のステップ④ 解決策を評価する

最後に、洗い出した解決策のうち、どれを提案すべきかを決定します。
解決策を決定するにあたっては、適切な評価軸を設定し、評価します。

f:id:kbt10tkhr10:20200127114902p:plain

解答例では、即効性・費用対効果・リスクといった評価軸を設けていますが、合理的に評価できるのであれば何を軸にしても構いません。
一般的には、QCD(Quality 品質、Cost 費用、Delivery 納期)や、会社の事業戦略などを評価軸にします。

また、できるだけ定量的に評価するのがあるべきですが、与えられた情報が少ないので、想定で評価してもOKです。
ただし、なぜこの評価をしたのかは答えられるようにしておきましょう。

以上、例題を用いてケース面接のポイントを解説しました。
これはあくまで解答例なので、これだけが正解というわけではありません。
もちろん、これよりも優れた解答はいくらでもあると思います。

まとめ

応募者のコンサルタントとしての素養を見極めるために、ケース面接が行われているという話でした。
準備が必要かどうかは個人差があると思いますので、一度例題なりを見てみて判断するのがよいかと思います。

(参考)おすすめ転職エージェント

アクシスコンサルティング

総合系コンサルティングファームを狙うなら、このエージェント一択!
↓ここから登録できます↓

リクルートエージェント

コンサルだけでなく、事業会社やベンチャーなど、幅広く転職活動したい方におすすめのエージェント
↓ここから登録できます↓