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産地でワインを選ぼう【導入編】

以前の記事で、ぶどう品種でワインを選ぶことについて記載しました。

winesuki.hatenablog.com

今回からは、少しレベルアップして、産地でワインを選ぶことについて記載していきたいと思います。

なぜ産地で選ぶのか?

産地でワイン選びができるようになれば、よりスマートに自分の求めるワインにたどり着くことができるのです。

たとえば、ワインショップでワインを選ぶことを考えてみましょう。
多いところだと1000種類のワインを取り扱っているお店があります。
そこでなんのあてもなくワインを選ぶとなると、もはや宝くじのような感覚に近く、 選んだワインが自分の好みかどうかは、運でしかないわけです。

では、もし産地でワインを選ぶことができればどうでしょうか。
たとえば、フランスのアルザス地方のワインが飲みたいとするならば、
1000種類ある中の、ほんの10種類程度に絞られるわけです。
さらに、「アルザスリースリングの白ワインで、値段が2000円台までのもの」とまで決めちゃえば、もう2~3種類ぐらいに絞れちゃいそうです。

しかも、ワインショップでは産地別でワインが陳列されていますよね。
もはや店に入ってから一瞬でワインを選ぶことができるのです。

産地で何がわかるのか?

では、産地だけでワインの何がわかるのでしょうか。

特徴がわかる

産地によって、ワインに使用されるぶどう品種が異なります。

たとえば、ボルドーの赤ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンなどを使用し、重厚なワインを作り上げていますが、
ブルゴーニュの赤ワインは、ピノ・ノワールを使用し、繊細な軽いワインを作ります。

また、同じ品種でも、ぶどうを栽培する環境の違い(気温や天候、土壌の違い)によって、ワインの味わいに変化が生まれます。
このぶどうを育てる環境のことをフランス語でテロワールといいます。
ワインの味わいや香りだけでなく、テロワールを感じながらワインを楽しむことが、よりワインを深く楽しめることに繋がるのです。

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レベルがわかる

ワインを生産するそれぞれの国には、原産地呼称などといった制度が定められています。
たとえば、ボルドー産ワインを名乗るためには、原料や生産方法などの厳しい基準をクリアしなければならないのです。

そうすることで、低品質なワインの流通を防ぎ、「ボルドー」というブランド価値を下げないようにしているわけです。
また、消費者にとっても、ある程度の基準をクリアしているという安心感につながるわけです。

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原産地呼称の詳細については、個別の産地についての記事を書く際に解説しようと思います。

どこでワインが作られている?

インベル

ぶどうの生育には、暑すぎず・寒すぎずといった気候の条件があり、およそ北緯・南緯30~50度の地域にて栽培されています。

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インベル

この北緯・南緯30~50度の地域をワインベルトと呼び、フランスやイタリアを始めとするヨーロッパ諸国や、アメリカ・チリ・南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランド・日本といったワインを生産する国々が含まれます。

国別ランキング

では、国別にワイン生産量を見てみましょう。

OIVという組織が発表しているデータをもとに、国別のランキングを作成しました。

No. Continent Country Value
1 Europe Italy 50,920
2 Europe France 45,367
3 Europe Spain 39,670
4 America United States 23,715
5 Asia China 13,217
6 Oceania Australia 13,100
7 Africa South Africa 10,531
8 America Chile 10,143
9 America Argentina 9,447
10 Europe Germany 9,013
11 Europe Russian Federation 6,646
12 Europe Portugal 6,010
13 Europe Romania 3,267
14 Oceania New Zealand 3,139
15 Europe Hungary 2,545
16 Europe Greece 2,490
17 Europe Austria 1,953
18 America Brazil 1,257
19 Europe Bulgaria 1,206
20 Europe Ukraine 1,123
21 Europe Switzerland 1,077
22 Asia Georgia 884
23 Asia Japan 789
24 Europe Republic Of North Macedonia 785
25 Europe Croatia 760

2016年のデータ 単位:1000hl(ヘクトリットル)=10万リットル

世界中でワインが作られていることがわかります。

旧世界と新世界

ワインの生産国は、旧世界と新世界という2つに大きく分類されます。

旧世界とは、フランス・イタリア・スペイン・ドイツを始めとする、古くよりワイン作りが盛んな国々のことを指します。
一方、新世界とは、アメリカやチリ、オーストラリア、南アフリカ、日本といった、比較的ワインの歴史が新しい国々のことを指します。

旧世界のワインは、原産地呼称などの制度がガチガチに整っており、ワインの産地ごとの特徴がはっきりしています。
それに対して新世界のワインは、それほどまでに制度が整っていないのと、ワイン生産者の新規参入も盛んであり、色々な個性のワインが楽しめます。

また、同じクオリティのワインでも、新世界のワインのほうが価格は安い傾向にあります。
ただ、一概に新世界が大衆向きの安ワインしか作っていないかというと、そういうわけではなく、たとえばアメリカカリフォルニアのナパバレーなど、高級ワインを生産している産地は存在しています。

世界を旅する気分で、今日のワインを選ぶのも楽しいかもしれません。